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水戸地方裁判所土浦支部 昭和42年(わ)6号 判決 1968年7月18日

主文

一、被告人森田武雄を懲役五月に処する。

二、ただしこの裁判確定の日から、四年間前記刑の執行を猶予する。

四、被告人森田武雄から金三万円を追徴する。

理由

(罪となる事実)

被告人中嶋佐平及び同藤井豊を除くその他の被告人らは、いずれも本件犯行当時、茨城県稲敷郡河内村々議会議員にして被告人石山要は同議会議長であり、被告人中嶋佐平は元同議会議員であつたが、被告人石山要、同垣沼茂、同北口高、同飯〓喜治夫、同福智栄は昭和四二年一月八日に施行された茨城県議会議員選挙に際し、同県稲敷郡選挙区から立候補して落選した宮崎孝一(同人は昭和四二年四月施行予定の同選挙に立候補する決意であつたが、同議会が昭和四一年一二月解散されたため同月二四日に、前記のように施行された選挙に立候補した。)のため選挙運動に従事し、なお被告人ら全員は前記選挙の選挙人であつたものであるところ

第七、被告人森田武雄は

一、昭和四一年九月一三日ごろ、前記河内村大字源清田一一七三番地の同村役場自転車置場付近において、被告人石山要、同垣沼茂から、前記宮崎孝一が前記県議会議員選挙に立候補した際同人に当選を得しめることを目的とする同人のための投票及び集票等の選挙運動をされたい旨依頼され、その報酬等として現金一万円の供与を受け

二、昭和四二年一月一日ごろ、前記河内村大字金江津二三五七番地の二の自宅において、被告人石山要、同福智栄から、前記宮崎孝一に当選を得しめることを目的とする同人のための投票及び集票等の選挙運動をされたい旨依頼され、その報酬等として現金二万円の供与を受けたものである。

(証拠)(省略)

(法令の適用)

被告人らの判示所為のうち、第七の一、二、の金銭の供与を受けた各所為は公職選挙法二二一条一項四号、一号、措置法二条一項(共謀にかかるものについては刑法六〇条をも適用)に各該当するので、いずれも所定刑中の懲役刑を選択し、被告人らのそれぞれの各罪は、いずれも刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により法定の加重をした各刑期の範囲内で、被告人森田武雄を懲役五月に処し、刑法二五条一項一号により、主文二項掲記のとおり、この裁判確定の日から四年間その刑の執行を猶予し、公職選挙法二二四条により、主文四項掲記のとおり収受した利益を没収又はその価額を追徴する。

よつて主文のとおり判決する、

(森田武雄以外の被告人に関する判決部分は省略する。)

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